サーチスタジオ

開催報告

医療アントレプレナー育成プログラム「Research Studio 2018 powered by SPARK」 開催報告

概要

筑波大学T-CReDOと慶應義塾大学病院臨床研究推進センターは、国内で初めてとなるアカデミア発の医療製品開発に特化したアクセラレーションプログラム”Research Studio powered by SPARK”を2018年より開始致しました。
医薬品に関する橋渡し研究の支援で既に多くの成果を生み出しているスタンフォード大学SPARKプログラム等と連携してT-CReDOで開発した新規プログラムで、アカデミアで企画された医療に特化した起業家育成アクセラレーションプログラムは国内初になります。AMED「橋渡し研究戦略的推進プログラム拠点間ネットワーク人材育成事業」の支援を受け、10月より開講しました。講師やメンター陣には、T-CReDOの関連プログラムで培ってきた臨床開発からビジネスモデルまでの多様で経験豊かな人材を登用し、スタンフォード大学・UCSD等、海外からも講師・メンターを招聘し、グローバルな視点から指導を仰ぐ機会を設けることが出来ました。

スケジュール

3日間のBoot Campを含む合計2ヶ月半の期間、毎週のメンタリングを経てプロジェクトをBrush upしていきました。

受講生の選考

  1. 国内の大学院生・アカデミア研究者・アカデミアと共同研究を実施する企業研究者・教員等で医療シーズを持ち開発意欲のある方(知財出願済もしくは出願間際であり、起業を検討中)
  2. ビジネス経験を持ち、①の研究者のシーズをもとに起業することも検討可能な方
  3. 起業に興味があり、アカデミアに所属している医療または臨床開発の経験があり助言が可能な方を対象に募集を実施し、多くの方に応募頂きました。内部選考を経て、計5チーム20数名の受講生が今回の参加となりました。(選考から漏れた方の内希望者は‘インターン’として、BootCampのみ参加しました。)

BootCamp

10月6-8日の3日間、筑波大学イノベーション棟8階講堂にて濃密な講義を受講しました。
知財、TagetProductProfile、医薬品・医療機器及び再生医療等製品の開発・事業戦略に関する網羅的な内容から、スタートアップの設立と運営、資金戦略やVCからの資金調達に関するビジネスモデル構築・戦略に関する内容まで、幅広く学習頂きました。5チームのプロジェクトも御発表頂き、活発な意見交換が早速実施されました。

毎週水曜日のメンタリング

前後半5回ずつに分けて、Valueproposition&TargetProductProfile及びBussinessmodel構築に関するグループワークを継続して行いました。
ショートレクチャーによる講義・毎回のチーム毎のピッチ発表を継続しながら、キーとなるテーマに分けてグループワークを繰り返しました。つくばメイン会場&慶応サテライト会場にて、チーム内でもTV会議システムを用いる講師陣からのメンタリングを経て、様々な角度からの分析を行い、時にはPivot・方針転換もしながら議論が継続されました。

中間ピッチ発表&「ResearchStudiopoweredbySPARK」招待講演

中間ピッチでは、各チームにTarget Product Profileを中心に、英語で10分間の発表・10分間の質疑応答を行いました。COIの関係で詳細は掲載できませんが、活発な質疑応答がなされました!
スタンフォード大学SPARKプログラムCo-Director、Kevin Grimes教授の来筑にあわせて国内外のトランスレーショナルリサーチ関係の先生方をお招きし、オープンセミナーを開催しました。海外のSPARKプログラムの活動の実際や、米国・欧州・日本でのバイオテックへの投資やVCの活動状況などご講演頂きました。

最終ピッチ発表

後半のグループワークでは、主にビジネスモデル・ビジネスプラン構築を中心に作業を行いました。最終ピッチでは、Target Product Profileに加えて、開発ロードマップやビジネスプランに関する内容が追加され、各チームで今迄の経緯を踏まえたストーリー性のある発表がなされました。
中間ピッチ以上に、英語での10分間の発表・10分間の質疑応答も進歩が認められ、受講生の本気度が十分に伝わってくる状況でした。その熱気におされ、昼休みの選考委員会では、現時点での完成度を優先すべきか、今後の発展性を重要視すべきか、など各メンターで意見の相違もあり、チームを評価・選考することの難しさを再認識する結果となりました。
熟慮を重ねた結果、本年度の最優秀チームは、以下のチームが受賞致しました。

その他の4チームも、短期間ながら、毎週Homeworkも課せられる濃密なプログラムに参加頂くことで、様々な視点からのメンターの意見を踏まえて、各々のプロジェクトを推進する機会を設けることができました!
ハードなプログラムを修了した功績に対して以下の賞を授与させて頂きました。
(最優秀賞及びグローバルアントレプレナーシップ賞の2チームが、UCSDの海外メンタリングプログラムに参加して頂くこととなりました。受講生の皆様、3か月間の長丁場本当にお疲れ様でした。)

「ResearchStudiopoweredbySPARK」招待講演

最終ピッチに合わせて、スタンフォード大学SPARKプログラム代表のDaria Mochly-Rosen教授に御登壇頂きました。基礎研究の成果を実用化に結び付けた経験を踏まえて、我々に熱いメッセージを届けて頂きました。
また、翌日の国際シンポジウムに出席予定の海外招聘した先生方にもグローバルな視点からご発言いただきました。経験豊富な立場からのコメントは、受講生に大変刺激になりました!

ResearchStudio ‘InternationalSymposiumonEntrepreneur-FosteringProgramsandEcosystem’

リサーチスタジオ2018の締めくくりとして、慶応義塾大学病院にて国際シンポジウムを開催致しました。
キーノートレクチャーとして、日本の最先端を切り拓いている慶応義塾大学での再生医療分野における取り組みについて、岡野栄之教授にご講演頂きました。Daria Mochly-Rosen教授からは、SPARK立ち上げの経緯と現在までの成果についてご説明頂きました。非常に興味深い内容でした!
更には、東京大学、慶応義塾大学、筑波大学、スタンフォード大学でのアントレプレナー教育/橋渡し研究の推進の実際や、スタートアップ関連のエコシステム構築のための事業として、UCSDでの取り組みやBiolabsの活動等をご紹介頂きました。
また、リサーチスタジオ並びに、慶応/筑波大学の別のアントレプレナープログラムの最優秀チームから、ピッチ発表を行って頂きました。いずれも、議論に議論を重ねたプロジェクトであり、聴衆も興味津々で数多く質問の手が挙がりました。懇親会でも様々な分野で活躍されている参加者同士、Networkingが行われました。来年度も、リサーチスタジオは継続予定です!!
開催時期や、受講生の公募方法、グループワークの進め方など、本年度の実績を踏まえて、よりよい内容に作り替えて参りたいと思います。
引き続きの受講・ご支援どうぞよろしくお願い致します。

UCSD海外メンタリングプログラム‘EntrepreneurTrainingProgram’参加

2019/2/11-15の5日間、Research Studio 2018で最優秀賞受賞のTeam Metcela及びグローバルアントレプレナーシップ賞受賞のTeam CardioGas Technologies の2チームが、Research Studio 2018で洗練した開発計画およびビジネス展開に関して、海外展開を含めたグローバルな視点での展開をさらに具体化すべく、米国サンディエゴのUCSD(カリフォルニア大学サンディエゴ校)のメンタリングプログラム参加及びフィールドワーク実施のため訪米しました。

プログラム前半は、米国での起業経験が豊富なメンター方から熱の入った講義を受ける機会を設け、彼ら自身の貴重な経験に基づいた米国におけるビジネス展開に関する理解を深めました。後半は各チームそれぞれフィールドワークを実施し、最終日に成果報告をピッチしました。