2019年11月27日と12月10日に臨床現場観察実習(体験WS)を開催いたしました。オリエンテーション、ニーズ探索の Tips や手順に関するレクチャーの後、専門領域医師の引率の下、臨床現場観察へ。(11/27 循環器内科、脳神経外科 12/10 循環器内科、消化器外科、整形外科の手術等を見学しました。)見学後はグループワーク形式で、見学した内容の振り返り、Need finding に関するブレインストーミング、相互での発表を行いました。ここでは、第1回目、第2回目の参加者の方々からのご感想をご紹介いたします。

医療機器開発を目指す産官学研究者のための臨床現場観察実習
-clinical exposure-
医療機器開発において、臨床現場を観察し医療ニーズを適切に把握することが重要視されています。本プログラムでは、医療機器開発を目指す産官学研究者に臨床現場の観察実習を通じて臨床ニーズ・課題を調査し、医師らエンドユーザーとの意見交換の場を提供します。
医学応用が可能であるものの医療従事者との接点が少ない基礎/異分野領域のアカデミア・企業研究者、大学院生等を対象に、専門領域の臨床医師がコーディネーターとなり医療機器開発におけるデザイン思考の講義や臨床現場の観察を行います。これにより、医療に対する理解を深め、真のニーズ探索と医療機器開発に関わる研究者の人材育成とプロジェクト進行のための開発戦略支援を推進します。
目的に応じた『臨床現場観察実習』をご用意しております
エントリーレベル
ニーズ発見からプロタイプ作成まで
プログラム全体を模擬体験し、流れを学習する
中級者向け個別スキルの提供
ニーズ発見、分野、特定、再確認
アイデア創出、プロトタイプ作成
実際の開発プロジェクト(共同開発)
提携病院での検証、海外市場調査
規制対応の実施支援
販売チャンネル(製造販売を持つ企業との連携)
9:45 | 集合・受付・当日のスケジュール・当院について説明 |
10:00 | オリエンテーション&レクチャー |
11:00 | 臨床現場観察、手術・手技の見学・医師との意見交換 |
15:00 | ニーズに関するブレインストーミング |
16:00 | とりまとめ、発表、講評 |
17:00 | 終了 |
18:00 | (適宣・懇親会等も企画) |
臨床現場観察実習の簡易版として、臨床現場に入るに当たっての基礎知識、ニーズ探索するためのコツなどの講義を行った後、 実際に手術室 や心カテ室などの臨床現場に入り、医療機器創出の『種』となる臨床ニーズについて理解を深めます。
見学終了後は、医師を含めた医療従事者も交えた意見交換・ブレインストーミングを行う機会を設け、医療従事者と企業の方との連携のFirst Stepとして活用頂いております。
これまでの見学実績
- 参加者
- 2019年度 30名 2020年度10名
- 見学診療科
- 循環器内科、脳神経外科、消化器外科、整形外科、救急・集中治療部 etc
※参加に当たっての注意
- 病院見学申込みに関する事務手続き上、実際の見学日の2ヶ月前までにお申込みいただき、個人情報の取り扱い、医療安全等のe-learning講義を受講頂く必要があります。
- 新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大予防策として、筑波大学附属病院では見学受け入れ条件を定めております。「健康観察記録・行動履歴票」に記載された内容によっては、事務局・見学先部門の判断で見学の制限がされる場合がありますので、予めご了承ください。
- 新型コロナウイルス(COVID-19)感染の全国的な拡大により、緊急事態宣言の発動、病院内の対応Phaseの強化があった場合は、外部者の院内見学自体を延期・中止せざるを得ない場合がございます。ご理解の程、宜しくお願い致します。
- 本実習に当たり、実習期間が短い場合は抗体検査やワクチン接種の義務はありませんが、受講生および患者、職員の相互の感染症等のリスクに関する責任は負いかねますのでご了承ください。
- 本実習は、新規ニーズ探索やニーズの再確認、プロトタイプのフィジビリティ調査等を目的に開催しております。取り組む内容によっては、知財の取り扱いや守秘義務契約に関する対応を経てから実施することが適切な場合もございます。御質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
※Withコロナ、Afterコロナに対応するために、臨床現場見学の代用として、ビデオ動画等を用いたオンライン対応プログラムも準備中です。目的に応じて、ビデオ動画等を活用した支援も検討致しますので、お気軽にご相談ください。
過去参加者の声

製薬企業 研究部門 新人
価値ある研究開発を遂行するためには、医療現場のニーズを理解することが重要であると考えつつも、その手段については具体的なイメージがありませんでした。しかし、今回の観察実習を通じて、真のニーズを把握することの意義と、ニーズ探索のために必要な考え方や手法を実践的に学ぶことが出来ました。今後の研究開発に今回の学びを活かすだけでなく、更に理解を深めていきたいと考えるきっかけとなる非常に有意義な経験でした。
検査装置メーカー デザイン部 中堅
【良かった点】
実際の手術を見ることができた点。臨床の現場を観察する機会はなかなかないため貴重な機会である。また、その場で担当の医師から詳細な解説を聞け、理解を深めることができたことも大変良かった。
【全体について】
医療関係の事業に関わりながらも臨床の現場を実際に見る機会はなかなか得られるものではなく、本実習は貴重な機会である。BIO DESIGNの手法という新たな視点を得ることができる点でも大変興味深い。
化学メーカー 研究開発 中堅
実際の現場では専門の医師が付き添って下さり、解説を頂きながら観察できたため、高い理解度で得られる情報量の多さを実感した。一方で、我々が現場の外で想定するニーズや解決策と現場固有状況とは大きな乖離があり、存在しない問題を解決するという状況に陥ることがありそうだと感じた。また、デザイン思考チームにはダイバーシティが必要だという点も実感できた。(今回のチームは、バイオデザイン経験者がディスカッションリード、医療現場の未経験者が外部の視点で幅広い写真記録、獣医出身者が医学的状況を解釈、という役割分担がうまく機能した。)