Research Studio
Research Studio B-GEARにおけるDemo Day Pitch開催報告(2023年2月25日)
2月上旬に開催されたカリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)での海外研修プログラム参加チームの成果発表の場として、2023年2月25日に「Research Studio Catapult ~ B-GEAR 2022 Demo Day」がCIC Tokyo現地とオンラインのハイブリッドで開催された。Research Studioのメンター陣、ならびにJETRO、経産省、厚労省、文科省の来賓の方々が参加される中、海外研修に参加した3チームが10分間のピッチ(10分間のQ&A)を披露した。また、今回のイベントではVCセッションおよびコミュニティ・セッションが設けられ、 VCメンターから見たスタートアップ育成に関するパネルディスカッション、およびベンチャー企業を支援する種々のコミュニティの活動が紹介された。
開催にあたり、JETROイノベーション・知的財産部の奥井氏、経済産業省商務・サービスグループ 生物化学産業課の庄氏、厚生労働省 医政局 医薬産業振興・医療情報企画課 ベンチャー等支援戦略室の米川氏からOpening Remarksをいただいた。
ピッチセッションでは、FerroptoCureの大槻氏 より 「フェロトーシス誘導性抗がん剤の開発」(座長:慶応大学 宗像先生)、PRD Therapeuticsの細田氏より「脂質代謝性疾患に対する新規治療薬の開発」(座長:筑波大学 町野先生)、産総研の畔堂氏より「患者・医師の負担を減らす術中迅速がん診断装置」(座長:大阪大学 森口先生)に関する発表があった。すべてのチームのピッチでは、国内およびUCSDにおけるプログラムを通して習得された成果が盛り込まれるとともに、洗練された発表内容により聴衆を引き付けるストーリー構成であった。
VCセッションでは、基調講演として新生キャピタルパートナーズ株式会社の藤波氏より、バイオベンチャー起業における研究者の考え方や行動に関する留意する点、アクセラレーションの意義、Research Studioの利点に関する話題が提供された。その後、千葉大学の片桐先生がモデレーターとなり、三菱UFJキャピタル株式会社の長谷川氏、大鵬イノベーションズ合同会社の森氏 、筑波大学の町野先生をパネラーとして、日本におけるバイオベンチャーの課題、ベンチャーキャピタルの課題について将来展望を見据えた議論がなされた。またピッチセッションに参加した3チームからパネラーへの質問が多数出され、投資額の日米の相違、日本において多額の資金を調達する手法、米国で資金調達する可能性に関する活発な応答があった。
コミュニティ・セッションでは、バイオベンチャーの発展に尽力されているコミュニティとして、一般財団法人バイオインダストリー協会の森下氏よりGreater Tokyo Biocommunity、東京工業大学の真尾先生よりGreater Tokyo Innovation Ecosystem(GTIE)、東京農工大学の跡部先生よりTSUKUBA CONNÉCT powered by Venture Café Tokyo、筑波大学の町野先生よりつくば異分野融合医学セミナーにおける活動について紹介された。また、Research Studio卒業生を代表して株式会社メトセラの野上氏よりResearch Studio Alumniの会の発足に関する発表もあった。
予定されていたすべてのセッション終了後に、筑波大学T-CReDO機構長荒川先生よりClosing Remarksを頂き、盛況の中、イベントは終了した。今回参加したチームの事業がさらに発展することを祈念するとともに、アカデミア発のイノベーションが医療に貢献することを目的として、今後も協力機関と連携しながら Research Studioプログラムを継続していく。