臨床現場観察実習 ニーズ探索ワークショップ(2021/06/22)
真の医療ニーズの見つけ方がオンラインで体験できます
2021年6月22日(火)、オンラインによる臨床現場観察実習、ニーズ探索ワークショップを開催いたしました。これまで実際に来院し手術室等を見学しておりましたが、昨今の新型コロナウイルス感染状況を考慮し、手術動画やオンラインホワイトボードツールを用いて、リモートで作業していただく形式で運営し、26名の方にご参加いただきました。
今回は、整形外科、脊椎首下がり症(後弯変形)の後方矯正手術(除圧固定術)を題材に、Zoomにて事務局側が司会進行しながら、受講生全員がMiro(オンラインホワイトボードツール)へ書き込むという共同作業を繰り返し、観察による「気付き」をニーズに落とし込む練習を目的とするワークを行いました。具体的な詳細は以下の通りです。
‣動画を視聴後、受講生が疑問点をMiroへ書き込み、専門医が回答します。
‣これを3回繰り返し、現場の困りごとをピックアップします。
‣挙げられたニーズの種を文章で記述し、整理します。
最後に、臨床ニーズを見つけた後の進め方について講義しました。
今回のワークショップでは、短い時間の中で、大きく分けて8つのトピックに着目するきっかけを得ることができました。受講生から挙げられた疑問点には時間内にすべて対応することができませんでしたが、ワークショップ終了後に回答をMiroへ追記し共有しました。
【受講生の声】
昨今の新型コロナウイルス感染状況により、実際に来院しての現場観察が困難となっております。そういった状況を鑑み、事務局ではオンラインによるワークショップを運営しております。今回ご参加いただいた受講生の皆様へアンケートを実施し、オンライン開催についてもコメントをいただきましたのでご紹介いたします。オンラインであっても、医療者側と参加者(企業・アカデミア)側で相互に意見交換できるフレームワークを独自に構築しております。今後本ワークショップに参加される際の参考にしていだだければ幸いです。
◆化学メーカー・男性
オンラインでは主催者側が考えているワークショップの目的及び要点(今回は「ニーズに抽出」(座学として抽出後の事例紹介))が分かりやすく理解しやすい。また、所要時間も3~4時間であり、集中力を保ちやすいので良いと思います。
◆医療機器製造販売企業・男性
良い点:物理的な制約(移動や人数制限)が無く、ストレスが少ない点。足りない点:局所的な動画観察の場合、手術現場でのシビアさや緊張感、負担が分からない点。
◆化学メーカー・男性
気軽に参加できるオンラインは参加頻度の点でとても有難い。オンサイトは、現場見学の作法や基礎知識など気が散ってしまう印象。
◆化学メーカー・女性
・来院 良い点:その場で装置について質問できる。手術室の環境(広さ、温度)、医療機器の使い勝手、サイズなどが実感できる。悪い点:移動時間が掛かるので、社内の関係者全員で受講ということが難しくなる。手書きのポストイットを大きな模造紙に貼るので、意外に一覧性が悪い上、読みにくい。
・オンライン 良い点:参加しやすい(移動時間がないので、AMに別件が入っていても、PMに参加できる)。悪い点:動画で、手術室の視点が固定されていること。
次回は、今回とは異なる診療科の手術動画を用いたワークショップを企画しております。医療現場に慣れていない初心者の入門編として、医療機器開発を目指す企業の方、医療ニーズ・医療機器開発にご興味のある研究者の方は是非ご参加ください。