臨床現場観察実習 ニーズ探索ワークショップ(2022/05/24)
真の医療ニーズの見つけ方がオンラインで体験できます
2022年6月24日(金)、オンラインによる臨床現場観察実習、ニーズ探索ワークショップを開催いたしました。前回同様、手術動画やオンラインホワイトボードツールを用いて、リモートで作業していただく形式で運営し、11名の方にご参加いただきました。今回は、耳鼻咽喉科 田中秀峰先生にご協力いただき、副鼻腔炎(蓄膿症)の手術を題材に、Zoomにて事務局側が司会進行しながら、受講生全員がMiro(オンラインホワイトボードツール)へ書き込むという共同作業を繰り返し、観察による「気付き」をニーズに落とし込む練習を目的とするワークを行いました。
具体的な詳細は以下の通りです。
‣動画を視聴後、受講生が疑問点をMiroへ書き込み、専門医が回答します。
‣これを3回繰り返し、現場の困りごとをピックアップします。
‣挙げられたニーズの種を文章で記述し、内容ごとに整理します。
最後に、臨床ニーズを見つけた後の進め方について講義しました。
クエスチョン・バーストでは約70個の疑問点が書き出されましたが、田中先生に一つひとつ丁寧にお答えいただきました。ご協力くださりありがとうございました。
ニーズ探索パートでは、デバイスのコードが煩雑で絡まること、内視鏡関連やデブリッター関連の改良点など、9つ程度のニーズの種を見つけることができました。時間の都合や事務局のマンパワー不足により、観察からでてきた臨床ニーズの深堀りとしてはまだまだ不十分、無難なアイデアのみで革新的な気づきに至らなかった、という感想も頂戴しましたが、耳鼻科手術に慣れていないビギナーにとっては臨床現場の理解が深まる貴重な機会となったことと思います。アドバンスコースとして実際の臨床現場見学体験の希望がございましたら、お声がけ下さい!
受講生の声
昨今の世情により、事務局ではオンラインによるワークショップを運営しております。ご参加いただいた受講生の皆様へアンケートを実施し、オンライン開催についてもコメントをいただきましたのでご紹介いたします。オンラインであっても、医療者側と参加者側で相互に意見交換できるフレームワークを独自に構築しております。今後本ワークショップに参加される際の参考にしていだだければ幸いです。
◆素材メーカー・男性
先生との関係性にもよると思うが、やはり医療現場を体感するという意味では生のほうがよいと思う。しかし、導入・初心者にとっては大画面でオンラインの現場見学のほうがとっつきやすいと思う。業界に興味を持ってもらうには,最初はオンラインのほうが良いかもしれない。
◆アカデミア・女性
現場感・時間の流れがわかるのはやはり現場だと思いますが、とにかく立ちっぱなしで何時間もかかる&麻酔のところは見せていただけない(患者さんが裸になるので、終わってから見学に入る)、解説がないと初心者には訳がわからない、などの制約もあります。オンラインにはオンラインの良さ(ご準備は大変でしょうが丁寧な解説付き、遠隔でも参加できる、初心者でも参加しやすいなど)がありそうです。
◆医療機器販売企業・男性
移動の距離や費用を考慮しなくていいことは大きなメリットです。オンラインでなければ今回のワークショップには参加できなかったので、非常にありがたい機会だと思っています。その一方で、やはり現地にいない場合、「ここをもう少し詳しく見たい」といったことができないのがデメリットです。また、当初の目的とは関係ない部分での気づき(ある種のセレンディピティでしょうか?)が得られにくいのも、オンラインの限界だと思います。
臨床現場の医師から生の声を聴ける貴重な機会としてご好評いただいております。医療現場に慣れていない初心者の入門編として、医療機器開発を目指す企業の方、医療ニーズ・医療機器開発にご興味のある研究者の方はご参加をご検討くださいませ。