医工連携

開催報告

Medtech Research Studio セミナーシリーズ「第9回 医療機器開発のプロフェッショナルに聞く」(2023/05/26)

2023年5月26日(金)、Medtech Research Studioセミナーシリーズの第9回目として、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)医療機器・ヘルスケア事業部 主幹の吉田哲也先生をお招きし、臨床工学技士の業務から臨床ニーズが導かれ、医工連携により製品化に至った事例についてご講演いただきました。

・吉田哲也先生 日本臨床工学技士会 臨学産連携委員会
演題名「臨床工学技士による医療機器開発の実際」

講演では、抗がん剤曝露防止一体型輸液ライン「アンティリーク」、次世代輸液コントローラ「SEEVOL」の開発の経緯や実際についてご紹介いただきました。抗がん剤暴露予防という、現場で気づきながらもなかなか有効な手立てを打ってこなかった課題に対して、「フル-ガルイノベーション」で、低価格で簡便な解決をブレインストーミングし、実際に仮説検証のための基礎実験を行い、製品開発を前進させていった経緯をリアルにお教え頂きました。結果的に、関係学会等の企業展示やユーザーからの紹介を経て、市場シェアを10%以上確保されたという結果にも大変感銘を受けました。また、臨床工学技士の視点から医療機器開発の課題についてもご解説いただきました。「ヒヤリハット事例」の中に機器開発のアイデアが埋まっている可能性についてお示し頂きました。
質疑応答では、茨城県臨床工学技士会の久松学様にもご参加いただき、茨城県での企業とのマッチングや製品開発までの苦労話について披露いただき、臨床工学技士を取り巻く課題についても意見交換致しました。つくばでも、コメディカルの先生方の支援を更に推進できればと思います!
吉田先生、医療機器開発に興味をお持ちの皆様に大変参考となるご講演をありがとうございました!