サーチスタジオ

開催報告

【開催報告】Research Studio2024 Pitch Event

2024 年10 月12 日(土)、CIC Tokyo において、Research Studio2024 のピッチイベントを開催しました。本イベントは現地開催のみで行われ、約60 名が参加しました。
開会の挨拶は、つくば臨床医学研究開発機構(T-CReDO)機構長の橋本氏よって行われました。続いて、厚生労働省 医政局 医薬産業振興・医療情報企画課の藤井大資氏が厚生労働省におけるスタートアップ関連事業を紹介されました。

ご挨拶いただいた来賓の写真 
厚生労働省医政局 藤井大資氏
  • 基調講演

次に、基調講演として、UCSD Institute for the Global Entrepreneur (IGE)のエグゼクティブ ディレクターであるDennis Abremski 氏が、「Ecosystem and successful cases」をテーマに、米国におけるスタートアップ企業に関するエコシステムの現状や大学発シーズの事業化成功事例を紹介されました。

基調講演における発表者の写真
UCSD Dennis Abremski氏
  • ピッチセッション1:Research Studio参加チームによるピッチ発表

Research Studio 海外メンターであるUCSD のDennis Abremski 氏やStanford University の池野氏を含むメンター陣がWeb で出席し、Pitch Event に応募した計5 チームが、5分間の英語ピッチ(+8 分間のQ&A)を行いました。Research Studio プラットフォームに関わるメンターおよび外部専門家が、指定メンターとして各チームの発表に対しフィードバックを提供しました。また、全体総評では、筑波大学客員教授の松本氏と、池野氏から講評をいただきました。

セッション1における発表者の写真
セッション1における講評風景の写真
  • ピッチセッション2:Alumniチームによるピッチ発表

午後のセッションでは、Research Studio Alumniの中から4社のスタートアップ企業が5分間の英語ピッチ(+8分間のQ&A)を行いましたた。各企業はそれぞれのプロジェクトの進捗を発表し、各メンターからフィードバックを受けました。本セッションは、最先端の医療技術を紹介し、新しい治療法や診断技術の可能性を探る場となりました。
これら4つのピッチは、各企業が抱える技術的な挑戦と進展を示し、医療分野における革新的なアプローチを明らかにしました。参加者からは多くの関心と質問が寄せられ、ピッチ終了後も活発な議論が行われました。

セッション2における発表者の写真
  • パネルディスカッション:VCからの期待とアカデミアの連携

千葉大学の片桐氏をモデレーターに迎え、三井住友銀行の玉川氏、大鵬イノベーションズの森氏、新生キャピタルパートナーズの藤波氏、九州大学の戸高氏、慶応大学の宗像氏、筑波大学の町野氏をパネリストとして、「VC からの期待とアカデミアの連携」をテーマにパネルディスカッションが行われました。
ディスカッションでは、VC が大学や研究機関と連携し、研究成果を商業化するためのサポートの重要性が強調されました。特に日本国内では、研究から事業化への道のりにおいて資金や人材の不足が課題として指摘され、VC がそのギャップを埋める役割を果たす必要性が議論されました。
パネリストたちは、エコシステム構築において、大学、政府機関、企業が連携し、新規事業の成長を促進する重要性を述べるとともに、VC が資金提供だけでなく、事業戦略や市場参入の支援を行う多面的な役割を担うべきだと指摘しました。議論は、具体的な成功事例を交えつつ、大学や研究機関の技術シーズをいかに商業化するか、そしてオープンイノベーションの重要性にも及びました。
森氏は、製薬業界での経験を活かし、アカデミアとの共同研究による新薬開発のメリットを説明しました。玉川氏は持続可能なエコシステムの構築に向けて政府や産業界との協力の必要性を訴えました。藤波氏は、ライフサイエンス分野における初期投資の重要性を挙げ、VC がスタートアップの「死の谷」を乗り越えるために資金提供と支援を行う必要性を強調しました。一方、戸高氏は産学官連携の実例として、心不全治療支援システムなどのAIを活用した医療技術の開発を紹介し、規制対応や臨床試験の課題にも言及しました。町野氏は橋渡し研究の重要性に触れ、大学で行われる研究が実用化に至るまでにVC の協力が必要不可欠であることを説明しました。さらに、宗像氏は自身のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)での経験を活かし、大学発の技術が国際的な競争力を持つためにはグローバル視点でのVC との連携が重要であると述べ、海外市場への進出戦略についても触れました。
今回のパネルディスカッションでは、VC とアカデミアの連携が研究成果を社会実装へと導く上での課題と解決策が明確にされ、スタートアップ起業支援におけるVC の役割を再確認する場となりました。また、パネリストによる活発な議論に加え、会場の参加者との質疑応答も行われ、スタートアップ支援エコシステムを考える上で非常に有意義な機会となりました。

パネルディスカッション参加者の写真

  • Research Studio Alumni イベント

Research Studio の卒業生たちが集うAlumni の会を開催した。第1 回Research Studio 卒業生の野上氏が司会を務め、過去6 年間にResearch Studio に参加したチームの中から6 チームが近況を報告しました。

  • クロージング

筑波大学教授 T-CReDO副機構長の町野氏による閉会挨拶をもって、盛会の中イベントは無事終了しました。

ピッチイベントにおける集合写真
  • 交流会

閉会後、ネットワーキングを行い、交流を図りました。

ネットワーキング風景の写真